グループ学習授業に「フリーライダー」っているのかな?

教育用の覚書。以下に日頃の授業を見ていて感じる「藁人形」を記す。
グループ学習の授業の「フリーライダー」という表現を聞くと、最近のウェブ上の(発言者は少ないのだろうが)やたらに目立つ障がい者や透析患者や生活保護受給者への侮蔑的な言説と似た、「役立たず(カッコつき)」への差別に似たにおいを感じてしまう。グループの中でグループの活動に関与(commit)できない、グループの目標に寄与(contribute)できないという「活動、目標から疎外された(alienated)状態」が問題なのではないか?
つまり「(意識的に)コミットしない(すなわちサボる)」のではなく、「コミットの方法、切り口、ロールモデルを知らないので行動ができない」のではないだろうか?*1参加のモチベーションよりむしろ参加者のロールモデル*2を内部に持たない人なのではないか。
では commitment/contribution を妨げる/促す心理は何かと言えば、参加した場に対して

「懸念・疑問・アイデア・ミスなどを声に出しても大丈夫だ」という信頼があるかどうかで決まります。*3
これは Amy Edmondson が「心理的安全性(psychological safety)」*4としてまとめたものである。これと同じ趣旨の記事としては Google のプロジェクト・アリストテレス*5を紹介したいくつかの記事がある(これも Edmondson の心理的安全性の活用例である)。この「心理的安全性」の醸成ができれば「フリーライダー」が減るのではないだろうか?
「参加者」の具体的な行動のモデルとしては、パズルを解くような研修プログラムのやり方がひとつの範例となるかもしれないが、設計、準備が大変。心理的安全性の確保とその上でのロールモデルの提示と行動の促しというのはとてもチャレンジング*6
ちょっとズルいかもしれないが、「ロールモデルを知っていたら、ポジティブな演技をして、埋没できるよ」と説得するのもありかもwwwww

*1:もちろん全員がフルにコミットした状態というのも、ファシズム的でキモチワルイ状態だと思ってしまう。

*2:わたし自身が「参加者」「ファシリテータ」のロールモデルでいくつかの研修を形式的にしのいだことがあるwwwwwwもちろんロールモデルと思考のトレーニングになったwwwww

*3:職場を崩壊させないために必要な「心理的安全性」を作り出す方法 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20161020-psychologically-safe-workplace/
これはTED講演の紹介記事
Building a psychologically safe workplace | Amy Edmondson | TEDxHGSE - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=LhoLuui9gX8

*4:amy edmondson 1999 Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams - Google 検索

*5:おそらくこれの1次文献的記事はNYTのWhat Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team, New research reveals surprising truths about why some work groups thrive and others falter. By CHARLES DUHIGG で、日本語の記事でプロジェクト・アリストテレスの出典を書いたものは完璧なチームはどうやって生み出されるのか? - GIGAZINEくらいである。

*6:チャレンジング:とても難しそうのポジティブな言い換え