3行で語るlim(1+1/N)^N(ここでは自然数)の由来
授業のための覚書
ネイピア数eの定義がなぜあの形か,先生は説明をしてくれなかった | ロボット・IT雑食日記
学習したことを内省して概念化して理解を深めていくプロセスってこんな感じだよなあ。てゆーか、ボク自身も受験勉強の最中(とそれ以降)は無自覚、無批判に
指数法則, が任意の実数 x, y で成り立つことを受け入れて式変形にいそしんでいた。
それって社畜ならぬ数畜?
具体的に「0.5回の掛け算」って実行できる?「0.5回の掛け算」は「平方根」で平方根は「開平計算*1」や「バビロニアアルゴリズム*2」で値を求めることができて…という風に、「同じ値を与える(とせんせーがゆっていた)別の方法」に焼き直して計算していない?先生に言われるままにを受け入れてなかった?
eの定義と万能の指数
ボクはここ数年の数学の授業では次の話を振ることにしている:
だから じゃね?例えばはただこれでは指数の桁が膨大になるので、指数に小数もOKという風に指数のかけ算ルールの定義を拡大してとなる。ここで出てきたのがネイピア数 e
この計算って, , , , ..., って細かくしたら、どんどん値が正確になるし、 で1より大きいどんな数でも作れるから、究極の「n乗根計算表」って作れね?*3
,, , , ...,くそまじめな整数回の掛け算が考え方の基本になっているので、これは値を求める計算のアルゴリズムが明快。逆にいくつかの参考書で見かける定義 は直接のアルゴリズムで書けない「実数回の掛け算」がコッソリと導入されているので、いただけない。
ついでにeの定義を使わずにロジックだけで対数関数、指数関数の導関数を求める
*2:Methods of computing square roots - Wikipedia 日本語のWikipediaには載っていない。
*3:ネイピア数 - Wikipediaの「歴史」「定義」の項のベルヌーイの利子計算の話を参照。
*4:の値は対数関数の底をとするとき、からを導出できる。ここでとする。