新聞の誤報、ミスリード
源氏写本「発見」という報道がウソであることについて
http://genjiito.blog.eonet.jp/default/2008/10/post-0339.htmlによれば、
- 当該写本は3年前には甲南大学に既に所蔵されて、そのことが公開されており(http://www.lib.konan-wu.ac.jp/valuable.html)
- 当時、大学院生であった大内英範さんが当該大学で原本調査を行い
- 調査の結果、「非常に特異な本文を有する」「他本との異同がはなはだしく」「大島本等よりは陽明本等に近い傾向をみせつつ、独自異文も多く有する」「平安時代の本文の姿の一つを伝える貴重な写本ではないか」という特徴が分かっており
- その結果は、『古代中世文学論考 (第14集)』, 古代中世文学論考刊行会, 2005.5.17 新典社 isbn:4787935143 にて公表されており
- 大内さんによれば「今回の記者発表には何も新見がなかった」
とのこと。「発見」という報道はウソ、あるいはミスリードであるようだ。甲南女子大学のウェブページ404 HTTP Error Page Not Found|甲南女子大学には
本学に収蔵されている『源氏物語』(梅枝の巻)が写本としては、現存する中で一番古く、しかも今までにない本文を持つものであることがわかりました。(中略)とあるが、本文の他写本との異動の検討などは大内氏の先行研究があるので、「「別本系」であることが判明」という部分は先行研究とどこが違って新しい知見となっているのか、「別本系」と判断するための判断基準がどこにあるのか知りたい。門外漢にしてみれば、「非常に特異な本文を有する」「他本との異同がはなはだしく」「大島本等よりは陽明本等に近い傾向をみせつつ、独自異文も多く有する」という特徴があれば別の系統であると結論できるのではないかと思う。このプレスリリースではこの辺が疑問のままに残されてしまい、先行研究に対して非常に不誠実であるとの印象を受ける。
今年は「源氏物語千年紀」にあたることから本学の文学部日本語日本文化学科・米田明美教授があらためて本学の『源氏物語』(梅枝の巻)に目を通すことによって「別本系」であることが判明し、関西大学の田中登教授の鑑定により、この度の公開となりました。(中略)
この本は長い間「河内本」*と分類されてきたが、この度の調査で「別本系」と判明し、しかも現存の『源氏物語』にはない文・言葉があり、非常に興味深い。
賛成4、反対4
日銀 VS ジャーナリスト - 債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐらによれば、日銀の0.2%の利下げに反対した4人のうち3人は「利下げに賛成」であり0.2%ではなく0.25%の利下げを主張して反対したとのこと。
我々プロですと、メンバーの8人も多かれ少なかれ人となりや日頃の言動は分かっているので、まさか、利下げに4人も反対するわけないや、とすぐ分かるのですが、一般の人にはいくらなんでもこりゃー、無理でしょう。ウェブというのはありがたい。この手のミスリードに対する修正がすぐにかかる。