2011年のDynabook

自分用の覚書。書きかけ。

e-Learning Awards 2011 フォーラム(Google)を聴いてきた。(多分、市販のものの state-of-the-art の)ICT教材の見本市と言ったところである。*1やたらに「日本は遅れている」という点を強調する講演が多かった。*2講演を聴いていて欠けているように感じられる点が二つあった:ひとつは「何を学ぶべきか」という視点、もうひとつはユーザインターフェースの進歩がどうなるかである。
中村氏の講演*3の中で台湾の学校の事例が紹介されていたが、児童は LenovoX200/201/220 tablet (に似た端末)を利用して書き取りか何かをしていた。「漢字を書く」という文化の中では「書く」ことの練習が必要であるので、タブレットで練習をしていた。児童はタブレット端末を自宅に持って帰って(多分、宿題等の)自宅学習をしている。ボクが ThinkPad X60 tablet を買ったときから子供にやらせてみたいと思っていたことが学校単位で実施されている。
iPad(やAndroidタブレット)が普通の教育用ツールとして存在している2011年に、"Dynabook"を想像するならこうなるのではないか。*4書き込むスペースが無くなったのだが、音声入力とキーボードを押す感触がタッチパネル上で体感できる新型スマートフォンをKDDIが開発中 - GIGAZINEで紹介された技術が組み込まれている。おそらく技術的には、アラン・ケイが1972年にDynabookをイメージしたときよりは、手の届く位置にあるのではないか。ただしボクの絵は「いまあるものを単純に延長したもの」に過ぎず、ケイが「何も無いときにイメージを膨らませたもの」とは天と地ほどの差がある。そしてこれは「健常者向け」デバイスに過ぎない。視覚障害、身体障害、知的障害に対しては、どのようなデバイスが考えられるだろうか?

*1:ユーザーインターフェースとしては「タブレット型」端末(タブレットPCスマートフォン)も数多く見られたが、「ゲーム型」インターフェースはなかった。ゲーム型に関しては無償で利用できる Development Kit が無いせいか?

*2:デジタル教科書普及、日本の課題は誤解と予算…中村伊知哉氏[Google]
文部科学省は2020年までのICTの学校への普及を目指している1-2.未来を拓く学び・学校創造戦略【施策目標1-3、1-5】:文部科学省

*3:デジタル教科書普及、日本の課題は誤解と予算…中村伊知哉氏 | RBB TODAY

*4:X201 Tablet, PowerPoint 2010 のスライドショー(全画面がメモ用紙になるのだ)を用いて、帰りの新幹線の車内で走り書きしたもの(OneNoteは使い慣れなかった)。スライドショーへの書き込みだとディジタイザペンで書くタイミングと「インク」が表示されるタイミングに微妙なずれが出て、ちょっと書きにくい。