衆議院解散で万歳をするわけが今日分かった

代議士は解散で職を失うのに、なぜ解散のときに万歳をするのかわからなかった。今日、仕事帰りの車の中でNHKのラジオニュースを聞いていたら、万歳を2回するというまぬけなハプニングの前後の議場の様子の録音が流され、万歳の理由に気が付いた(気がした)。解散の詔書*1の読み上げの最後で「御名御璽」まで読み上げるからなのか。つまり、あの万歳は(おそらくもともとは)「(天皇陛下)万歳」なのだ。
今日、「御名御璽」の読み上げの前に万歳をしたまぬけな国会議員がいてくれたおかげで長年の謎に解決が着いた。
[追記]「御名御璽」の読み上げは慣例を破った行いだったようだ。ハフィントンポストの記事衆院解散、「フライング万歳」はなぜ起こった? 検証してみた【動画】 | ハフポストによれば

議事録を見る限りでは、1958年以降は「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する」という詔書の本文のみが読み上げられるようになり、「衆議院を解散する」と議長が宣言した後に万歳をすることが慣例となっていたようだ。なぜ伊吹議長は60年近く読まれて来なかった「御名御璽」以降を読んでから万歳をするよう指摘したのか、謎が残る結果となった。
議長は自ら慣例を破っていながら、「万歳はここで」とまでコメントしている。このコメントは取りようによっては「御名御璽」読み上げを今後の慣例とするととれる。安倍首相の意向ではないにしても、米中韓に不快を引き起こしてでも靖国参拝を実施した安倍首相の作り出した空気に沿ったきな臭さが感じられる。
[さらに追記]Wikipediaを確認すると
解散の伝達は本会議において行われる場合がほとんどである。一連の官邸での手続を終えた詔書の写しと内閣総理大臣からの伝達書は、いわゆる「紫の袱紗」に包まれて内閣総務官により国会内に運ばれ、議長席後方の控え室(議長応接室)にて待機した後、内閣官房長官に手渡される。内閣官房長官は、議長席後方の扉から詔書の写しと伝達書を持って入場し、衆議院事務総長に手渡す。事務総長は中身を確認した後、次第書(朱色のト書きと黒文字の台詞が書いてあるいわば「台本」)を付けて衆議院議長に渡す。衆議院の解散は一切の議事・動議に優先して扱われ、議長は議事を直ちに中止して詔書の朗読を行う[12][18][29]。議長が「ただいま内閣総理大臣から、詔書が発せられた旨伝えられましたから、朗読いたします」と発言すると、議長及び全議員、国会職員が起立する(総員起立)。議長が「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する」と詔書の文章を読み上げて衆議院の解散を宣言する。
衆議院解散 - Wikipedia 強調はあらき
とある。「次第書」にどこまで書かれていたかは伺い知ることはできないが、「ト書きに書かれていて実行」「ト書きにないけど実行」のいずれにしても、(原義あるいは「誤用」の)確信犯的であるように思われる。

*1:衆議院の解散は憲法の条文には2か所現れるが、69条は「解散されない限り」とあるので、内閣不信任の場合も7条に基づく解散詔書が発せられるとWikipediaで知る。