ベクトルの外積

内積」は学校でならったが「外積」は聞いたことがないという人もいるだろう。そりゃそうだ高校では教えない。
どんな計算かというと

\vec{x}=(a,b,c), \vec{y}=(d,e,f) のとき \vec{x}\times\vec{y}=(bf-ce,cd-af,ae-bd)

というけったいな計算をする。ベクトルとベクトルをかけてベクトルを作る計算である*1

ベクトル積の特徴:\vec{x}\times\vec{y}=(bf-ce,cd-af,ae-bd)\vec{x}=(a,b,c), \vec{y}=(d,e,f) のどちらとも直交する。

こんな計算どこに出るんだと言われると、てこの計算*2やブラウン管の画像の計算*3に使う。
てこの計算のときに「力点にかける力の大きさ×支点までの長さ」=「作用点にかかる力の大きさ×支点までの長さ」と習うはずだが、これって「力が斜めに掛かったときはどうよ」と聞かれると辛いものがある。力点にかける力が同じでも斜めに力をかけると、作用点での力は弱い。というわけで斜めにかかったときにも使える式としてベクトル積 \vec{r}\times\vec{F} を計算すればよい。

ならばドラえもんのポケットの中でてこを使うと*4どうなるんだなどと考える人は…あまりいないような気がするが、4次元の空間内ではベクトル積は6個の成分を持ってしまう。そんな計算の意味はあるのかと言われると辛い。「趣味だ」と言うしかない。
ボクはかつてドラえもんのポケットの中のコマの運動の数値シミュレーションをやってみたことがあるが、計算結果の数値を絵に表現できなくてほったらかしにしてしまった。可積分だということはポアンカレプロットから分かったのだが…。

*1:答えがベクトルなので「ベクトル積」と呼ぶ人もある。じゃあ内積は「スカラー積」かと言われると…その通りだ。

*2:力のモーメント

*3:ローレンツ

*4:コマまわしでも良いのだが