対偶のワナ


「小文字」の外は「大文字カードの集合」
「ある命題が真ならば、対偶も真」というのはウソではないんだけど、場合によってはとっても思考をミスリードする。というわけで、のちのちの教育用の資料としてスクラップ:対偶の問題「カード」 - 以下のルールがあります。ルール1 偶数を書くカード... - Yahoo!知恵袋
まず議論の前提を書こう
「AならばB」「A⇒B」は集合のコトバで書くと「(条件Aを満たす集合)⊆(条件Bを満たす集合)」
このことを念頭において、ルールを読む
  1. 偶数を書くカードは、その裏に必ず大文字のアルファベットを書く。
  2. 小文字のアルファベットを書くカードには、その裏に必ず3の倍数を書く。
このルール1「偶数を書くカードは、その裏に必ず大文字のアルファベットを書く」を高校までの集合のことばで言い表すと
「偶数カードの集合」⊆「大文字カードの集合」
ルール2は
「小文字カードの集合」⊆「3の倍数カードの集合」
となる。これらの包含関係を満たすベン図を描いた上で問題文を読む
  1. 「7」と書いてあるカードがあれば、その裏には必ず小文字が書いてある。
    ×「奇数(=「偶数」の集合の外)」には大文字、小文字いずれもある。
  2. 「R」と書いてあるカードがあれば、その裏には必ず偶数が書いてある。
    ×「大文字(=「小文字」の集合の外)」には偶数も奇数もある。
  3. 「n」と書いてあるカードがあって、その裏に「12」と書いてある可能性がある。
    ×「小文字」の集合と「偶数」の集合は交わらない。(対偶を使うのはここだけ)
  4. 「Q」と書いてあるカードがあって、その裏に「9」と書いてある可能性がある。
    ○「大文字」の集合の中には偶数も奇数もある。
  5. 「18」と書いてあるカードは存在しえない。
    ×「偶数」の集合がある。例えば「18」の裏が「A」のようなカードがあってもいい。
とここまで書いて、ふと問題文を読み直してみると
「大文字と小文字を同時に書いてはいけない」とは何処にも書いていない
ということに気がついた。上のベン図は「大文字」と「小文字」が互いに補集合になっていることを前提している。この前提を外してベン図を書き直してみた。すると(3)の答えが微妙に変わる。
「n」と書いてあるカードがあって、その裏に「12」と書いてある可能性がある。
○「大小文字」の集合と「偶数」の集合は交わりを考えられる。例えば「Nn/12」のようなカードを考えられる。
ただし「このカードに書かれた文字がnだけ」ならば×