備中典侍日記:ぶたにく

最近読んだ本で、とくに印象に残ったものを挙げる。こども向けというよりは、むしろ「自然」についてヘンテコなイメージを持っているオトナ(たとえば「有機無農薬が良い」みたいなヘンテコな「天然物崇拝」に毒されたオトナ)が読むべき本のように思われる。

ぶたにく

ぶたにく

表紙は「ぶた・にく」というタイトルとともにかわいい黒毛の子豚が写っていて、裏表紙にはソーセージの束の写真が掲載されている…のを見た時点で、なあんとなく内容が想像がつくのだが、その期待通りの内容の絵本の装丁のドキュメンタリー本。
舞台は鹿児島市にある知的障害者施設で、絵本は子豚の出産の写真から始まって、赤ちゃんぶたの授乳、日常の成長、出荷、食肉処理工場の様子、解体、加工…そして子豚の様子。
食肉工場の写真でずらーっとぶら下がっているぶたを見て、典侍が「これ何なん?」と訊くので、「スーパーでプラスチックのトレーに入っているお肉のもとのもと。この大きなかたまりを小さく切っていくんだよ」と説明をする。


生き死にって、こうやって、ちょこっとずつ教えていくものだろうな。