備中典侍日記:「解散!」

ことしのなつやすみの自由研究は「ヒマワリの解散!」を決行した。
嫁に今年の自由研究のテーマについて話を振られていたので、庭先に出て、ヒマワリとヒャクニチソウヒナギクの類の花を見て、外周部から中心に向けて開花が進行しているように見えたので、花の構造の分析と開花の進行の経時変化の追跡をすれば、それなりの紙幅の自由研究になるだろうと考えたのだ。
で、何本か生えていたヒマワリのうちのある1本は開花の進行を毎日、写真に撮って追跡させ、別のヒマワリは開花の時期を見計らって解体することに決めた。
そして先日、庭に生えていた直径10cmほどのヒマワリの開花のころあいがよさげになったので、切り取ってきて、縦に二つに切り分けて、典侍とボクとでそれぞれを8時間ほど*1かけて「花」を解体して、「ヒマワリの種の元」を全部取り出した。あとで数え上げると全体で約1700個あった(多少のロストはご愛嬌のうち)。数え上げは算盤の練習にもなった。たいへんよくがんばりました>典侍
手許の植物図鑑で調べると、ヒマワリの花には「管状花」「舌状花」で構成されているとある。ウェブでこの2語をキーワードにして検索をすると、「頭状花序(とうじょうかじょ、head inflorescence、capitulum)*2」という語に行き当たる。キク科の花に一般的に見られる構造のようである。
切った直後の切り口付近は管状花の構造もこわされているが、切り口に沿ってこれらを2列程度取り出すと、結構きれいに管状花の成長の進行が見えていて興味深い。経時変化を同時の断面で観察できて、構造も小学生程度の器用さで処理できるサイズなので、理科教材として便利だなと実感する(でも、自分自身が小学生のときはそんなこと考えたこともなかったけど)。
それから、いまどきならスケッチをやらせるよりも、「定点観測」の写真をふんだんに撮らせ、あとでまとめてプリントする方が、情報量が多くて気づきも多そうである。デジカメは『フィルム』『DPE』の価格コスト、時間コストがごっそり下がって「携帯できるスケッチブック」として小学生でも使える教育ツールになっている。これが21世紀か。
さて、まとめをやらせてみると、意外に「つくり」「しおれる」「うつむく」のような語が出てこない。こどもの語彙が増える場面は主に読書であるそうなので*3、もう少し読書量を増やすなんらかのしかけをしないといけないかも。
ボクとしては、「解散!」の作業中の切り口のにおいやベタベタとしたピンセットにくっつく感覚をおぼえておいてもらえたなら、うれしい。そんなものは百科事典にも教材ビデオにもないから。