テイラー展開

テイラー展開とは…なにかグラフ y=f(x) があって、そのグラフの形を x=a の近くで多項式
  A+B(x-a)+C(x-a)^2+D(x-a)^3+E(x-a)^4+\cdots
のグラフでそれなりに似せようとしたときに、
  A=f(a), B=f^{\prime}(a), \large C=\frac{f^{(2)}(a)}{2!}, \large D=\frac{f^{(3)}(a)}{3!}, \large E=\frac{f^{(4)}(a)}{4!}, \cdots
にしておくと結構いいよ…という話だ(多分)。「似せる」だけである。ドンピシャ同じということはまず有り得ない。じゃあ、どれだけ食い違うんだというツッコミには、


「おおよそ\Large\frac{f^{(n+1)}(c)}{(n+1)!}x^nくらい」(Lagrange氏談)
という答えが用意されている。この文を書いていて、なんとなく「円周率はおよそ3」という話を思い出したが、「円周率」で納得しない人でも、「テイラー展開」は納得している。というのも「円周率3」では見積もりが甘すぎて実用にならないのだが、「テイラー展開」は式の上では自分の好きな精度で値の見積もりを立てることを保証している…ような気にさせてくれるからだ*1
オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ (ちくま学芸文庫)

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*2
なぜグラフを多項式で近似するんだろう…というのが以前からのボクの疑問で、いまのところ「多項式だったら四則演算の組み合わせで値を出すことができるから」と考えて納得したことにしている。*3つまり抽象的な記号遊びのような「上級学校数学」の中で、「そろばん(という足が地に付いた世界)」と「微積分」がオトモダチになっている数少ないトピックであり、ものさしやはかりで計られる現実世界の量の世界へ数学を適用する概念上の通路だと思っているのだ。
もちろん、これは自分を納得させるための「説明」であって、テイラーさんをはじめとするこの式を見出した人々のキモチと同じかどうかは知らない。

*1:だって三角関数のような素性のしれた関数という「特殊例」を除けば高階微分なんてわからないと思うから。

*2:この本の p.142 くらいに公式を導く際の考え方が記されている。面白いことに、この「Lagrangeの食い違い」を計算するのに積分が使われている。

*3:有限区間ではWeierstrassの多項式近似定理が成り立つから、という答えもあろうかと思う。