解と係数の関係(2次)

2次方程式の場合を使って説明する。
(x-\alpha)(x-\beta)=0 を展開すると x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta=0 となることから、

2次方程式 x^2+Ax+B=0 の二つの解を x=\alpha, x=\beta と置くと、各々の解の値は分からなくても \alpha+\beta=-A, \alpha\beta=B であることだけは分かる

ということ。でも2次方程式には簡便な「解の公式」があるので

和がA,積がBである二つの数\alpha,\betaは、2次方程式x^2-Ax+B=0を解けば求められる。

という逆向きの使い方の方が多い(気がする)。使い道はあるのかというと、例えば

3項間漸化式  a_{n+1}-5a_{n}+6a_{n-1}=0 の一般項を求めよ

(…なんて試験問題が「素」で出るわけがないのだが)を解くときに

 a_{n+1}-5a_{n}+6a_{n-1}=0 a_{n+1}-2a_{n}=3(a_{n}-2a_{n-1}),  a_{n+1}-3a_{n}=2(a_{n}-3a_{n-1}) と式変形できるので、 a_{n}-2a_{n-1} は公比3の等比数列 a_{n}-3a_{n-1} は公比2の等比数列である…

という式変形をするのだが、そのときに使える。というのも

 a_{n+1}-5a_{n}+6a_{n-1}=0 a_{n+1}-(\alpha+\beta)a_{n}+\alpha\beta a_{n-1}=0 の形になっていると見立てて \alpha\beta の値を求めた

からである。