自然対数の底の定義
自然対数の底 e なんて言っても、そこらのオッチャン、オバチャン(含む日本の全国紙の大半の記者)にとっては「何やねん、それ」である。昨年、かのGoogleがIPOしたときの調達希望金額が2,718,281,828ドルだったのだが(ネタ元)、この高校程度でわかる世界有数のIT企業のオチャメを理解し、紹介した日本の新聞(オンライン版)は無かった。「M村さん、がんがれ!」である。
ところで、なぜ「e」なんだ?「d」や「f」ではないんだ?実は当時 d は differentiation (微分)に、f は function (関数)に既に「予約」され、そうかと言って、natural の「n」は number の n っぽくて整数と区別がつかないし、logarithm の l では数字の 1 と紛らわしい…などと、出まかせを並べて引っ張っても仕方がない、この「e」は大数学者 Euler (オイラー)に因んだものである(ネタ元)。知らんかった。orz
この極限の値は である。このヘンな値が何なんだと言いたくなるが、この数を底に使って指数関数を作ると「微分しても形の変わらない関数*2」 とか作れたりするのでエラいのだ。
*3なんでこんなへんてこな数を定義しようと思ったかというと、整数の整数乗は例えば 21=2, 22=4, 23=8, ... とかなり飛び飛びの数しか出てこない。グラフに描くと滑らかさのない折れ線グラフしか描けない。
そこで1に近い小数の整数乗 (1+0.1)1=1.1, (1+0.1)2=1.21, (1+0.1)3=1.331, ... を計算すると、値の飛び飛びが小さくなってくるので、グラフに描くと少しだけなめらかになる。
さらに1に近づけて (1+0.01)1=1.01, (1+0.01)2=1.0201, (1+0.01)3=1.030301, ... とすると、飛び飛びはさらに小さくなる。ここで指数を (1+0.01)100×0.01, (1+0.01)100×0.02, (1+0.01)100×0.03, ... と解釈して x=0.01, 0.02, 0.03, ... の値だと思うと、グラフの横軸方向の間隔が小さくなって、しだいにグラフは曲線っぽくなっていくだろう。
さらに1に近づけて (1+0.001)1000×0.001, (1+0.001)1000×0.002, (1+0.001)1000×0.003, ...
さらに1に近づけて (1+0.0001)10000×0.0001, (1+0.0001)10000×0.0002, (1+0.0001)10000×0.0003, ...
さらに1に近づけて ...
...
さらに1に近づけて (1+1/N)N(Δx), (1+1/N)N(2Δx), (1+1/N)N(3Δx), ... (ここでΔx=1/N)とやっていけば N→∞ の極限で (Δx), (2Δx), (3Δx), ... の部分が実数に収束していって、極限で滑らかな指数関数が得られるに違いない…と思ったんじゃないかな。
参考: