知能機械の観察:舜とそろばん、あるいは掛け算に順序があることにボクが気付く、ただし…

最近の出来事の中では印象深かったので、忘れぬうちにメモ。

今日、帰宅すると、舜がボクの手をさかんに引くので、何事かと思っていたら、計算の練習問題が合っているかどうか見てくれという。見ると、そろばんの検定の問題らしく、2桁×1桁の掛け算が20題ならんでいた。見るとほとんど正解しているので、ボクは非常に驚いた。幼稚園児でも操作できるんだなあ。
しばらく前から舜は珠算塾に通っているのだが、今度、9・10級の検定を受けることになっている。舜はまだ幼稚園児なのだが、塾では小学生の子らと一緒に勉強をしている。話を聞くと、舜は上級生と同じことをやりたがる性質のようだ(まあ小さい子はそんなものだろうな)。先日も典侍のクラスメートの遊びの輪に入れてもらえなくて癇癪を起しているのをたまたま見かけた(癇癪の出かたがちょっと心配)。
さて課題の2桁×1桁をどうやって解くのかと見ると、九九のテーブルとそろばんを併用して解いていた。「実」の各桁の「法」との積を九九の表で探し、算盤の各桁に入れて加算していた。まあもともと算盤は加減算のための5進/10進レジスタだからそんなもんか。まるでネイピアの骨である。計算はほとんど正解していた。テーブル参照、算盤の加算の繰上り操作は問題なくできているようだった。うーむ、テーブル参照はありなのか。
なぜか1問だけ苦労していたので入浴時に説明したら、風呂上がりにそれを自分でやり直していた。ついでにボクが幼稚園児の頃は掛け算をちっとも知らなかったことを話す(もちろん2年生になったときに、40人ほどのクラスの中で一番掛け算が速かったことも:−P)。
算盤を利用した乗算はレジスタへの入力のアルゴリズム上「かける数(「法」、あとに書く方)」と「かけられる数(「実」、先に書く方)」の区別が必要なものだと改めて気づいた。
九九の表、算盤というレジスタのキャリーオーバー操作(まあ「繰上り」とも言うが)という「10進の桁毎の数値操作」の概念は舜の中にできているようだが、「量」としての掛け算の概念(たとえば3×4なら3ます×4ますの広さのイメージ)を同時に持っているかどうかは分からない。意外に脳内では別物であり、これらのブリッジングが後から形成されるのではないかとも思う。
[1.28追記]その後、嫁の話によると海に浮かんでいるカモの群れが3羽ずつの3個の集団になっているのをみて「さざんがきゅう」と言ったらしいので、それなりに「量」的な数の把握はできているのかも。