2×2行列のn乗(固有値が重解の場合)

A=\left(\begin{array}{rr}4&-4\\1&0\end{array}\right) のとき A^n を求めてみよう。行列Aが式A^2-4A+4E=Oを満たしている*1。この式の形から3項間漸化式を考えればよいことは2×2行列のn乗 - あらきけいすけの雑記帳に書いた。で、この3項間漸化式は固有方程式が重解を持っている(これを固有値が縮退しているという)のだが、この場合の解き方については3項間漸化式 - あらきけいすけの雑記帳に書いた。答えは A^n=2^nE+n2^{n-1}(A-2E) である。
この計算は定係数線形常微分方程式の講義のために考えた。行列のべき乗を対角化を飛ばして「大学受験」的知識で計算した。
[追記 2009.1.25]検索「固有値 重解」で来た人はググルナカス、あるいは固有値が重解を持つときの固有ベクトル - あらきけいすけの雑記帳も参照せよ

*1:2×2行列に対するケーリー・ハミルトンの公式。