大学の成績の「1単位」とは

学年制と単位制 - Wikipediaには「1単位あたり45時間の学修」の出典が書かれていなかったのでメモ。以下、覚書

(単位)
第二十一条  各授業科目の単位数は、大学において定めるものとする。
2  前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。
一  講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。
二  実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、大学が定める時間の授業をもつて一単位とすることができる。
三  一の授業科目について、講義、演習、実験、実習又は実技のうち二以上の方法の併用により行う場合については、その組み合わせに応じ、前二号に規定する基準を考慮して大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。
3  前項の規定にかかわらず、卒業論文、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S31/S31F03501000028.html (昭和三十一年十月二十二日文部省令第二十八号)最終改正:平成二〇年一一月一三日文部科学省令第三五号 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S31/S31F03501000028.html
ここで俗説だと思うのだが45時間というのは「1週間の労働量」に相当する。だから1年間に取得できる総単位数はたてまえ上は年中無休で勉強をして52単位が限度である。そしてこれを反映していると想像されるのだが(いまのところあくまでボクの想像に過ぎないのだが)、財団法人 大学基準協会が出している大学評価の点検項目には次のような項目がある:
[点検項目] 1年間に履修登録できる単位数の上限を50単位未満で設定している。
出典:公益財団法人 大学基準協会, 『平成21年度大学評価 評価に際し留意すべき事項』(Excelファイル, http://www.juaa.or.jp/images/accreditation/pdf/handbook/university/2009/shiryou_08.xls), p.2, 大学基準、点検・評価項目, 3-1 学士課程の教育内容・方法, (2)教育方法等
以上は学生の立場からの時間数の考察。以下は大学が授業をするという立場からの時間数について。
授業の期間については35週であり、ひょっとすると(授業15週+試験期間2週)×2期+(オリエンテーション1週?)なのかなあと妄想する:
(一年間の授業期間)
第二十二条  一年間の授業を行う期間は、定期試験等の期間を含め、三十五週にわたることを原則とする。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S31/S31F03501000028.html
ここで「授業15週」と考えられる根拠は次の条文:
(各授業科目の授業期間)
第二十三条  各授業科目の授業は、十週又は十五週にわたる期間を単位として行うものとする。ただし、教育上特別の必要があると認められる場合は、これらの期間より短い特定の期間において授業を行うことができる。
ibid.
というわけで、設置基準を杓子定規に取ると多分「前期18週、後期17週」のスケジュールを組まなくてはいけない。
[追記]同僚に聞いてみると「三十五週にわたる」というのは週の中の1日でも授業があれば1週と数えるというような解釈・運用がなされてきたみたいである。