ちゃんとしたホメオパシーとはカウンセリングの一つの「技法」なのかな?

ホメオパシー?/第5回共同リサーチ:健康であるためのオプション~世界の補完代替医療~ - 市民メディア[レアリゼ]
カウンセリングの一つの「技法」としてのホメオパシーについての簡単なまとめ。

この記事で私が初めて知ったことは、ここに取り上げられている例では、かなり長時間かつ継続的なカウンセリングを受けていることである。精神科のカウンセリング(をボクは受けた経験があるのだが)との違いは、最後に処方されているのがレメディか認可薬かの違いだけのようにも思われる。*1

記事を読むと、どちらかというとカウンセリング的な部分に焦点を当てようとしているので、「現在の標準的な医療への不信」という視点を強く出したホメオパシー礼賛ページとは、内容的に一線を画しているようにも思われる。*2

いくつかのブログから察せられるように、現場のお医者様たちは忙しいはずだから、患者さんに対するじっくりと時間をかけたカウンセリングをするためのチャンネルは「標準的な病院」の外に必要かもしれない。とくに今の日本は「マッチョ」、「自己責任」みたいなプレッシャーが強くなっているから、心療内科的なファシリティへの需要はあるのではないか。

カウンセリングの受診は、おそらくはカウンセリングを必要とする人にとってはとても敷居が高いものだから、「風邪」「腹下しが続く」みたいな精神的なものとは違う病気の症状をきっかけにして気楽に受診できるようなシステムがあるといかもしれないとも思う。もちろん感染性なら治療者が抗生物質を処方するか、病院への紹介状をきちんと書くような前提でね。

(あまり良い例ではないとは思うが)例えば、孤立気味で育児ノイローゼなお母さんが体調崩したときに話をたっぷりと聞いてもらえるみたいな。(しつこいけど標準的な病気の診断とセットでね。)

日本の場合、ホメオパシーのビリーバーが標準医療に対して敵対的な態度を取ることが多く、健康を損ねるケースがあるとの話をブログ上でよく見かけるが、ここに書かれた内容で積極的に現代医療を否定するような主張がなされているわけではないので、これにネガコメを投げる神経が私には理解できない。

*1:ボクの経験では、カウンセリングではまず精神科の診察を受けて、薬を処方してもらって、それからカウンセラーとのカウンセリングを行った。日本の医療制度、法制度の下では、医師免許を持った人とカウンセラーのような二つの異なる専門性を持つ人たちが必要なのだろう。

*2:2009-09-09によれば、日本には「ワクチン否定を初めとしたかなり問題ある主張を行っている」日本ホメオパシー医学協会と「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師によって構成される」日本ホメオパシー医学会があるそうだ。後者のサイトにはホメオパシーの安全性と危険性のようなページも見られる。問題は標準的な医療との関係であるように思われる。