統計の「検定」が高校数学の教程からいつ消滅したか?([追記]そして「相関」はいつ導入されたか?)
自分用の覚書。
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id:ks1234_1234 メタブ, 教育というコメントがあったので調べてみた。ぼくは検定を習った世代だから、いつ消滅したか気になったのである。逆に2変数の組の相関についてはやった記憶が無い。過去の学習指導要領は2011.12.17現在、学習指導要領データベースインデックス*1にある。結論としては、「検定」が正式に入っているのは昭和45年、昭和53年の教程で、平成元年公示の教程から消滅している。
id:asakura-t あー、「検定」は高校数学ではやらないです。相関はやるんですけども。偏差も初歩はやるんですけど。検定はやらないです。 2011/12/16
[追記]はてなブックマーク - 第4節 数 学で ks1234_1234 さんよりご指摘があったとおり、相関は数学Bで扱っている。遡ってみると、平成元年の教程より数学Cの「統計処理」の項目内に導入されて、平成10年の教程で数学Bの「統計とコンピュータ」に引っ越ししている。背景にPCの普及とかありそうな気もする。
昭和35年の教程の「応用数学」に「相関」の記載があるが、普通科では教えてなかったっぽい。
ks1234_1234 さま、ご指摘ありがとうございました。
平成15年(2003年4月入学)
第6 数 学 B
[略]
2 内 容
[略]
(3) 統計とコンピュータ
統計についての基本的な概念を理解し,身近な資料を表計算用のソフトウェアなどを利用して整理・分析し,資料の傾向を的確にとらえることができるようにする。
ア 資料の整理
度数分布表,相関図
イ 資料の分析
代表値,分散,標準偏差,相関係数
[略]
3 内容の取扱い
[略]
(4) 内容の(3)については,理論的な考察には深入りしないものとする。
[略]第7 数 学 C
[略]
2 内 容
[略]
(4) 統計処理
連続的な確率分布や統計的な推測について理解し,統計的な見方や考え方を豊かにするとともに,それらを統計的な推測に活用できるようにする。
ア 正規分布
(ア) 連続型確率変数
(イ) 正規分布
イ 統計的な推測
(ア) 母集団と標本
(イ) 統計的な推測の考え
[用語・記号] 推定
3 内容の取扱い
[略]
(5) 内容の(4)については,理論的な考察には深入りしないものとする。
平成10年(2003年4月入学)
第6 数 学 B
[略]
2 内 容
[略]
(3) 統計とコンピュータ
統計についての基本的な概念を理解し,身近な資料を表計算用のソフトウェアなどを利用して整理・分析し,資料の傾向を的確にとらえることができるようにする。
ア 資料の整理
度数分布表,相関図
イ 資料の分析
代表値,分散,標準偏差,相関係数
[略]
3 内容の取扱い
[略]
(4) 内容の(3)については,理論的な考察には深入りしないものとする。
[略]第7 数 学 C
[略]
2 内 容
[略]
(4) 統計処理
連続的な確率分布や統計的な推測について理解し,統計的な見方や考え方を豊かにするとともに,それらを統計的な推測に活用できるようにする。
ア 正規分布
(ア) 連続型確率変数
(イ) 正規分布
イ 統計的な推測
(ア) 母集団と標本
(イ) 統計的な推測の考え
[用語・記号] 推定
3 内容の取扱い
[略]
(5) 内容の(4)については,理論的な考察には深入りしないものとする。
平成元年(1994年4月入学)
第6 数 学 C
[略]
2 内 容
[略]
(4)統計処理
ア 統計資料の整理
(ア) 代表値と散布度
(イ) 相関
イ 統計的な推測
(ア) 母集団と標本
(イ) 正規分布
(ウ) 統計的推測の考え
[用語・記号]分散、標準偏差、相関係数、推定
3 内容の取扱い
[略]
(5) 内容の(4)のイについては、理論的な考察には深入りしないものとする。
昭和53年(1982年4月入学) 確率・統計
2 内 容
[略]
(5) 統計的な推測
ア 母集団と標本
イ 統計的な推測の考え
[用語・記号] 推定,検定
3 内容の取扱い
内容の(5)については,具体例を通して統計的な推測の考え方を理解させる程度とする.
昭和45年(1973年4月入学) 数学III
2 内 容
[略]
B 確率・統計
[略]
(2) 統計的な推測
統計的な推測における基本的な考え方について理解させる。
ア 統計的な推測
イ 用語および記号
推定,検定
3 内容の取り扱い
[略]
(4) 「数学III」を3単位で履修させる場合には,内容のAおよびBについて,それぞれに示す各事項の中から適宜選択して取り扱うものとする。
昭和35年
第4 数 学 Ⅲ
[略]
2 内 容
[略]
(3) 確率と統計
確率の概念を明らかにするとともに,確率の考えを用いて,統計に対する見方や考え方を深める。
ア 確率の意味
イ 確率の計算
加法定理,乗法定理
ウ 分 布
(ア) 平均とちらばり
ちらばりについては,主として標準偏差を扱う。
(イ) 二項分布,正規分布
エ 標本調査
乱数表にふれる。
用語と記号
確率,余事象,独立事象,従属事象,排反事象,加法定理(確率に関するもの),乗法定理,変量,標準偏差,期待値,二項分布,正規分布,標本,母集団,標本調査,抜取り検査,品質管理
3 指導計画作成および指導上の留意事項
[略]
(2) 2,(3),ウの(イ)のうち,正規分布については,簡単な利用について知らせる程度とする。
第5 応用数学
1 目 標
職業に関する専門教育で必要とする数学的な概念およびこの概念とそれが応用される事象との関連を理解させ,数学的に処理する能力を養う。
2 内 容
「応用数学」は,原則として,「数学Ⅰ」を履修させた後に履修させるものとする。以下に示す「応用数学」の内容は,職業教育を主とする学科において,その必要に応じて,その中から適切な事項を取り出して履修させることを前提として作成したものである。
(1) 三角関数
[略]
(2) 計 算 法
[略]
(3) 図形と方程式
[略]
(4) 数列と級数
[略]
(5) 微 分 法
[略]
(6) 積 分 法
[略]
(7) 確率と統計
ア 順列,組合せ,二項定理
イ 確率,確率の計算,期待値
ウ 記述統計
偏差,相関
エ 二項分布,正規分布
オ 標本調査
抽出,推定,検定
[略]
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1) 「応用数学」の標準単位数は6単位であるが,この場合でも,2に示した内容の全部を取り上げることを意味するものではない。したがって,学科によって,それぞれの必要に応じて,この内容の中から適切な事項を取り上げて計画し,指導することが必要である。
(2) 指導計画を作成し,指導するにあたって,学科に応じて,内容の中の事項を取り上げる場合には,「数学」の目標と「応用数学」の目標を考慮するとともに,下記の事項に留意する必要がある。
ア 職業に関する専門教育の学習に用いられる数学的な内容の中でも,基本的で発展性があり,広く,よく用いられるものであること。
イ 取り扱う内容の数学的な意味や応用のしかたなどについて,生徒が理解できる程度のものであること。
ウ 取り扱う内容によっては,そこで取り上げる定理や法則の意味やその応用のしかたなどに指導の重点をおき,必ずしも厳密な論理によって展開する必要はないこと。
(3) 用語と記号については,おおむね「数学ⅡA」,「数学ⅡB」および「数学Ⅲ」の内容に示した用語と記号に準じて,適宜指導するものとする。