exsin(x)の極限値


関数 y=ex/20sin(x)のグラフ。
サイト Wolfram Alpha を利用して描画
教育用の覚え。
カラオケでマイクの向きが悪いとスピーカーから「キーン」なんて大きくて不愉快な音が出る。これは「ハウリング*1という現象で、指数関数の講義するときに「指数関数の実物を知らんとは言わさへんで!」みたいな前振りとともに使う例だったりする。
で本題は、高校数学の教科書を読み直すと、この関数の極限値を適切に表現するための語彙が意外に欠けている。
音が大きく様子をあらわすので「発散する」と言いたいのだが、関数は規則正しく周期的にゼロになる(グラフがx軸を横切っている)ので「発散する」の定義に合わないのである。振幅の最大値は y=ex 上にあり*2、この曲線は「発散する」の定義にきっちりと合う。この最大値を表す曲線は包絡線(envelope)というのだが*3、これは高校の教程の語彙にない。高校の語彙の範囲では「極限値はない」となって、「音量が急激に大きくなる」という実感にちょうど合う数学語がない。

*1:ハウリング - Wikipedia 学生諸君は意外にこの現象の名前を知らない。

*2:「振幅」も高校の数学語にない。

*3:exsin(x+a)のaを変化させた曲線群の包絡線