積分によって定義された対数法則を満たす関数の覚書

置換積分を教えた後で紹介ができる内容になっている。通常の高校数学の教程の順番では理系の後の方に位置することになる。ボクは高校のときには習っていない。


積分f(x):=\int_1^x\frac{\large dt}{\large t}(ただしx>0)で定義された関数は、対数法則f(ab)=f(a)+f(b)を満たす:
f(ab)=\int_1^a\frac{dt}{t}+\int_{a}^{ab}\frac{dt}{t}=\int_1^a\frac{dt}{t}+\int_{1}^{b}\frac{d(at)}{at}=f(a)+f(b)

尺度の変換t\to atに対して不変な被積分関数になっているところがミソ。
ここで逆に対数法則f(ab)=f(a)+f(b)を満たす関数は積分f(x):=f^\prime(1)\int_1^x\frac{\large dt}{\large t}で与えられることが言える。対数関数を作る - あらきけいすけの雑記帳
指数関数と対数関数が互いに逆関数の関係にあるだろうということは想像できるが、ここで定義した関数が無限級数で定義した関数の逆関数になっているかどうかは(この段階では)計算してみないとわからないこと。
ここで定義した対数関数の逆関数gとする。f(\equiv g^{-1})導関数xでの値がf'(x)=\frac{1}{g'(g^{-1}(x))}であり、fの定義よりf'(x)=\frac{1}{x}なので、g'=gとなる指数関数がf逆関数なのだろうと想像がつく。