微分積分とラジアン

なぜラジアンという単位で角度をはかるのかという理由は…
\cos t, \sin t マクローリン展開

\displaystyle\cos t=1-\frac{t^2}{2!}+\frac{t^4}{4!}-\frac{t^6}{6!}+\frac{t^8}{8!}-\frac{t^{10}}{10!}+\cdots,
\displaystyle\sin t=t-\frac{t^3}{3!}+\frac{t^5}{5!}-\frac{t^7}{7!}+\frac{t^9}{9!}-\frac{t^{11}}{11!}+\cdots ただし角の大きさtラジアンで測った値を代入すること
である。この式がなぜエライのかというと
左辺:角の大きさ t rad を分度器で測って、直角三角形の図を描いて、ものさしをあてて測って求める量*1
右辺:数値 t を決めて(図もへったくれもなく、根性の限りの)四則演算の繰り返し
という全く異質の幾何的、算術的操作を結び付けてもOKというハナシなのだ。特に四則演算だけで求められることは、電卓やコンピュータでの計算に適している式だということだ。…とは言うものの、注意書きをきちんと守って欲しい。ラジアンでないと話が合わなくなる式なのだ。ラジアン以外の角度の単位の数値を使うと、四則演算の計算に「角の値」「整数」以外の余計な角の換算用の数を導入しないと、三角関数の正確な値を求められない。
テイラー展開そのものはどんな関数でも使えるけど、ときどき副産物として異質な操作を結びつける式が出てくるなんてこともある。

[2009.7.30追記]それでは直角三角形を先に描いて角度を四則演算で求める手法があるかというと、ある。積分\displaystyle\int_0^h\frac{dx}{1+x^2}は底辺が 1, 高さが h の直角三角形の底角をラジアン単位で数値的に与える。

*1:一般角の場合はどう考えるんだ、というツッコミは勘弁して欲しい。