テイラー展開の図形的な意味
数学を現実の問題に応用するとき、関数の式の形が具体的に分ることはまずありません。テイラー展開とは 大雑把に言えば、グラフの値を求めるために、そのグラフに近い形の 1次, 2次, 3次,…関数をきちんと計算するための方法です。
コンセントの電圧のグラフは三角関数 sin, cos で書けますが、このように式の形がはっきりと分っている例は現実にはほとんどありません。テイラー展開とは、未知の動きをするもののグラフの「形状」を予想し、具体的な数値を求める手段のひとつなのです。
まずテイラー展開の公式をの項までで考えてみよう:
この式は図形的には、元のグラフをの近所だけの1次関数(直線)で近似したことになる(図2を見よ)。接点の近所では元のグラフと直線がともに「右上がり」という特徴を持っている。
≒.
元のグラフをの近所だけの2次関数で近似する。
これを重ね描きをしてみるとのグラフがの近所で「上に凸になっている」という雰囲気まで再現されている。(もちろん遠いところはぜんぜんちがう。)
≒
テイラー展開を3次まで実行することは、図形的には元のグラフをの近所だけの3次関数で近似することになる。
すると結構広い範囲でグラフの形が増減や凹凸まで含めて再現される。少なくともこの場合はね(^^;
≒